作成日
:2024.07.03
2024.07.03 15:44
XMTrading(エックスエムトレーディング)の日本市場の顧客やアフィリエイト業者に対する運営姿勢に、深刻な問題が浮上しています。
当社独自の調査によると、2024年3月20日~5月末までにXMTradingで新規リアル口座を開設し、プロフィールの登録等を完了していない口座、約30,000件あまりがユーザーの承諾無しに凍結(無効化)されたことが明らかになりました。
これは、利用しないであろうリアル口座の管理コストを減らす目的と、XMTradingと提携しているアフィリエイト業者に対するリベート削減を目的とした口座凍結と思われます。
XMTradingといえば、海外FX業界で "No.1ブローカー" として知られる業者ですが、このところ約定力の低下や、サービス品質の劣化が噂されており、今回、アフィリエイト業者に対するコスト削減とも思える行為を行ったことで、業界ではXMTrading離れが加速することが予測されます。
本記事では、直近実施されたXMTradingでの口座凍結などの規約外のルール変更と、それによるアフィリエイト業者への影響について記載します。
今回、口座の凍結(無効化)の対象となったのは、2024年3月20日~5月末までの期間にユーザ登録を行った新規ユーザーのうち、本人確認等が行われず登録から14日以上が経過したユーザーです。
そもそも口座の凍結とは、海外FXにおいては、一定の期間リアル口座利用が無かったり、残高がゼロになってから一定期間が経過した場合に、ユーザーに継続利用の意思確認を行った上で実施される手続きであり、ユーザーの承諾無く口座の凍結を行うのは異例のことです。
XMTrading(エックスエムトレーディング)が開示しているページによると、有効化前(本人確認等が実施されていない状態)のユーザーのリアル口座が凍結されるのは、口座残高がゼロの状態が90日以上続いた場合と明記されています。
日本の一般的なFXの常識で考えると、口座凍結は何らかの取引上の違反行為があった場合や、口座の本人性に疑いがある場合に実施される対応と考えられます。今回のXMTradingのように、利用規約やユーザーの意思を無視し、業者側が無断で凍結することは、凍結せざるを得ない運営上の事情があるか、「ユーザーの希望により開設した口座である」というカスタマーサービスへの意識が低いぐらいしか考えられません。
今回、何故XMTrading(エックスエムトレーディング)では、ユーザーの承諾無く、潜在顧客である30,000件あまりのリアル口座を凍結するに至ったのか、当メディアでは、XMTradingのカスタマーサポート担当者に当社の調査結果を基に問い合わせを行いました。
この結果、「2024年3月20日に、カスタマーポータルの大規模なシステム変更が行われ、非アクティブ状態が14日以上経過したリアル口座は、当社のシステムルールに基づき凍結した」との回答がありました。
加えて、ユーザーの利用規約と異なるルールである点や、ユーザーへの意思確認を行ってるかという点についても質問をしましたところ、ユーザーに対しては一切の連絡や規約変更を告知してない点が判明し、今回の凍結がXMTradingの一方的な事情により行われたということの確認が取れました。
今回、XMTrading(エックスエムトレーディング)が実施した、一見潜在ユーザーを減らすようなこの行為の真相は何なのでしょうか。XMTrading社は、「システム部門との認識の違いにより生じた...」との説明をしていますが、今回の真相にはXMTrading社と契約してる数万件ともいわれる、アフィリエイト業者との関係が存在すると考えます。
XMTradingのような海外FX業者は、IB(イントロデューサー)と呼ばれる、顧客を誘導するアフィリエイト業者と関係を持っています。海外FX業界の場合、日本のFX業者のアフィリエイト事情とは異なり、IB業者が誘導したユーザーまたはリアル口座の取引実績によってリベートが発生します。
XMTrading社もこれらと同じアフィリエイトの仕組み(IB)を採用しており、XMTrading社の自身のWEBサイトでは、当社のアフィリエイターには、10万通貨の取引(1ロット)あたり、最大15ドルの手数料を継続的に支払うとしています。
以下の表は、XMTrading社と同じく、海外のFX業者がアフィリエイト業者に提供しているリベート一覧であり、その中でも、XMTradingは非常に高額なアフィリエイト報酬をIB業者には支払ってるように思えます。
FX業者 | 報酬額(*1) |
---|---|
XMTrading | 15 USD |
Exness | 12.7 USD |
Titan FX | 3.3 USD |
FXGT | 15 USD |
XS.com | 6 USD |
BigBoss | 6 USD |
MILTON MARKETS | 10 USD |
TradersTrust | 20 USD |
HFM | 28 USD |
IS6FX | 7.3 USD |
easyMarkets | 2.4 USD |
ThreeTrader | 0.5 USD |
(*1)全ての取扱銘柄を対象とした最大の報酬額を記載しています。また、報酬がUSD表記でない場合はUSDに換算し表記を統一しています。
日本の居住者を対象にしたアフィリエイト業者の中には、XMTradingの広告をメインで掲載している業者も数多く、これらは一見、XMTrading社のアフィリエイト報酬の高さからかとも思えますが、実はXMTradingのアフィリエイトの仕組みには、他の海外FX業者には無い、独自の継続報酬を支払わないルールが存在します。
次のグラフは、海外FX業者が認証前のユーザーの口座をどのぐらいの期間で凍結するかをまとめたものになります。なお、グラフ中にあるアーカイブとは、口座を利用できない状態(口座復活は可能)にすることを指します。
これによると、口座が凍結されるまでの期間が最も短いのは、14日間のXMTradingであることが分かります。
このように、口座凍結までの期間が短ければ短いほど、アフィリエイト業者にとっては、誘導したユーザーが利用する機会、つまり、アフィリエイト報酬を得られる期間が短縮され、報酬に繋がる可能性が低くなってしまいます。
更に、XMTrading社では、一度凍結された口座は二度と復活させることはできないというルールが定められております。つまり、一度ユーザーの口座を凍結してしまえば、アフィリエイト業者との関連付けは抹消されるため、その後、そのユーザーがどのような取引を行っても、アフィリエイト業者に対する報酬は発生しないということになります。
その仕組みを裏付けるように、以下の表は、ユーザーの口座凍結後に口座を復活させることが可能か、その場合、アフィリエイト報酬の対象になるかという凍結後のルールを、各海外FX業者毎にまとめた資料になります。
FX業者 | 凍結後の復活可否 | 口座凍結後の紐づけ |
---|---|---|
XMTrading | ✕ | ✕ |
Titan FX | ✕ | ✕ |
Exness | 〇(*1) | 〇 |
FXGT | ✕ | 〇 |
ThreeTrader | 〇(*1) | 〇 |
HFM | ✕ | 〇 |
BigBoss | ✕ | ✕ |
(*1)凍結ルール無し
このように、XMTradingでは、アフィリエイト業者をパートナーと称し、永続的な関係を謳ってはいますが、実は独自のアフィリエイト業者に稼がせないルールを制定し、それを暗黙に実施していた事実が露呈したといえます。
このように、アフィリエイト業者に稼がせない独自のルールを定めているXMTradingですが、実は、アフィリエイト報酬においても、業界トップとは思えない複雑な方法で報酬を搾取するルールを敷いています。
以下のグラフは、海外FX業者のアフィリエイト業者が、1リアル口座を紹介した場合の過去一年間のアフィリエイト報酬額(単価)をまとめたものです。
あえて業者名は伏せていますが、海外FX業者大手4社を比較した場合、(業者名はグラフの色でご想像ください)赤の線で表した、XMTradingの数字は、2024年4月を機に4社中3位にまで下落しています。
実際に、この時期の報酬金額を、XMTradingが宣伝している「10万通貨の取引(1ロット)あたり、15ドルの手数料」という謳い文句と比較すると、
このように、明らかに"15ドルのアフィリエイト報酬"には満たない数字となっており、業者の中でも低い単価設定といわざるを得ません。
この要因は、XMTradingの場合、スタンダード口座やマイクロ口座といった、USD/JPYでスプレッドが平均2.4pipsも離れている(日本のFX事業者の約10倍)ような、明らかにユーザーが利益を出すことが難しいような口座を例に取り、「弊社はアフィリエイト報酬が最も高い」と謳っていますが、実際にこのような口座を開設するユーザーは少なく、主に海外FX業者を利用するユーザーが開設する口座は、スプレッドが低く取引手数料もない口座になっております。
次の表は、現実的に海外FX利用者が開設する口座タイプ別にアフィリエイト報酬をまとめたものです。
FX業者 | 口座タイプ | 報酬額(*1) |
---|---|---|
XMTrading | KIWAMI | 3~8 USD |
Exness | プロ | 1.86 USD |
FXGT | 1.5 USD | |
XS.com | 3 USD | |
TradersTrust | 2 USD | |
HFM | 4 USD | |
Titan FX | Blade | 1.5 USD |
BigBoss | プロスプレッド | 5 USD |
デラックス | 8 USD | |
MILTON MARKETS | エリート | 1.3 USD |
IS6FX | プロゼロ | 2.67 USD |
easyMarkets | MT5 | 2 USD |
ThreeTrader | Pureスプレッド | 0.66 USD |
(*1)為替の通貨ペアに絞った場合の報酬額を記載しています。また、報酬がUSD表記でない場合はUSDに換算し表記を統一しています。
これを見る限り、XMTradingのアフィリエイト報酬は決して競合他社と比較しても高いものとはいえず、先に説明したアフィリエイト業者を稼がせないルールを考えても、とても業界随一の高額なアフィリエイト報酬を提供してる業者とはほど遠いことが分かります。
そもそも、このアフィリエイト業者とFXブローカーとの関係がどうかといえば、アフィリエイト業者は、海外FX業者の提示するルールに従うだけではなく、その実績もFXブローカーが掲示する数字のみを信じて活動の成果を受け入れざるを得ない仕組みとなっています。
それは、取引したユーザーの個人情報保護の観点からです。アフィリエイト業者は、どのユーザーがどのような取引を行ったから、これだけのアフィリエイト報酬を支払うという報酬額の情報は、FX業者から開示された情報を信じるしかなく、その数字を自身で調べる手段はユーザーに直接どのぐらいの取引をしたのか確認する以外にはありません。
そのため、報酬ルールの変更があった場合などは、アフィリエイト業者が気づきにくく、今回のように告知無く不利なルール変更を強いられる場合が多くなっています。
今回、XMTrading(エックスエムトレーディング)が行った、リアル口座の凍結ルールも、今年の3月20日前後に実施されたユーザーポータルのリニューアルに伴い実施されたものです。
このように、アフィリエイト業界では、海外FXブローカーが非常に優位な立場になっており、日本・海外を問わず、市場に名前を広めるまではアフィリエイト業者を利用しますが、一定まで名前が広がったら、売上原価を圧迫するアフィリエイト報酬をどう減らすかを考えるのはブローカー運営者にとっては当然のことともいえます。
しかしながら、XMTradingの場合、アフィリエイト業者に何の告知も無く、ましてユーザー自身の意思で開設したリアル口座を勝手にクローズする方法でそれを実施するのは、余りにも乱暴で業者間の信頼関係を損なう行為だと考えるアフィリエイト業者も多いのではないでしょうか。
今回の、利用者に対する口座の一方的な凍結について、様々な関係者に意見を聞いたところ次のような声が寄せられました。
日本では、不正利用以外にユーザーの口座の凍結を行うことは先ずあり得ない。まして、利用規約外の行為を行う場合、先ず、規約変更の届出を監督省庁に提出し、承認された後にユーザーへの事前告知を行った上で実施します。無断でこのようなことを行うと、行政処分の対象となるのではないか。このようなことを見ても、海外FX業者は意識が甘いし、海外のライセンスはお飾りに過ぎず信頼するに値しない。
- 日本のFX業者関係者 -
XMTradingは、昔からこのような不利なルール変更は幾度も繰り返され、90日で口座が無効化され報酬の対象とならないことも、何の説明もないままいつの間にか実施されたルール。今回、パートナー各社にこのような変更を強いたことにより、元々市場では飽和状態になっていたアフィリエイト市場で、XM離れが加速するのではないか。
- 海外FXのアフィリエイト業者A(法人) -
海外FXのアフィリエイトは、XMTradingに限らず、継続的にアフィリエイト報酬を獲得できることにメリットを感じて参入しました。しかしながら、このような実態が判明すると、海外FXのアフィリエイト事業に乗り換えたことを後悔する...全く信用できない。
- 海外FXのアフィリエイト業者B(個人) -
等といった意見が寄せられています。
今回、当メディアではこの一件を受け、XMTrading(エックスエムトレーディング)に場当たり的な対応ではなく、抜本的なユーザーやアフィリエイト業者に対する対応の改善を求めています。そもそも、90日間の凍結ルールは、運営者側の勝手な都合であり、ユーザーの利便性を無視した管理上の都合でしかありません。それが、アフィリエイト業者の報酬と結びついているのなら、なおさら誠意を以って管理しその実態を透明化するものではないでしょうか。
XMTradingは、2024年現在、日本のユーザー約150万人分の取引口座を有してるといわれており、日本のFX業界でもこのユーザーを取り返そうと、いくつかの日本のFX事業者が本腰を入れはじめています。
このような中、アフィリエイト業者やユーザーとの信頼関係を失いつつあるXMTrading社は、これまでのように、日本市場を我が物顔(わがものがお)で活動できるか、今後の同社の動向に注視したいと思います。
作成日
:2024.07.03
最終更新
:2024.07.03
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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