作成日
:2025.10.10
2025.10.10 08:01
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、高市自民党総裁の「行き過ぎた円安を誘発するつもりはない」などの発言を受けて152.14円まで下落。しかしながらその後、米長期金利の上昇を背景に153.23円まで上昇した。ユーロドルはフランス政治情勢への警戒感や米長期金利の上昇を受けて1.1542ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、20日以降に先送りされた臨時国会までの政治空白の間隙を突いた「高市トレード」の射程を見極めつつ、昨日の高市自民党総裁の「行き過ぎた円安」への牽制発言の続報や連立政権を巡る自公党首会談の結果を待つ展開が予想される。
本田元内閣官房参与は、故安倍首相と高市氏の経済ブレーンであるが、先日150円台の円安を行き過ぎと述べ、日銀の利上げ時期に関しては、今月の金融政策決定会合は難しいものの、12月会合の可能性はあるとの見解を示しており、昨日の高市氏の発言と整合的である。
ドル円は、高市氏が標榜していた経済政策「サナエノミクス1.0」(積極的な財政政策と緩和的な金融政策)により、日銀の利上げ観測が後退し、債務状況の悪化懸念も加わって153円台まで上昇してきた。しかし昨日のテレビ番組での高市氏の発言「私の立場で利上げそのものについて発言すべきでない。行き過ぎた円安を誘発するつもりはない。財政健全化が必要ではないと言ったことは一度もない」は、「サナエノミクス2.0」と解釈できる内容だった。
高市氏は4日の会見で日銀法に言及したが、独立性をうたった第3条には触れず、政府との連携を記した第4条「政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない」に言及していた。また、高市氏のインフレに対する見立ては、コストプッシュ型のインフレを放置し、デフレではなくなったと安心するのは早い、デマンドプル型のインフレがベストとのことであり、日銀の早期利上げには後ろ向きであると見られている。
本日は、昨日の高市発言を受けて行き過ぎた円安に歯止めがかかるのか、そして、連立政権を巡る自公党首会談の行方に注目したい。
ドル円の上値を抑える要因としては、現在の日本経済の喫緊の課題である物価高抑制のためには、日銀の利上げを容認し、輸入物価の上昇に繋がる円安を抑制しなければならないという見方がある。円安による輸入物価上昇でコストプッシュ型のインフレ圧力が強まった場合は、2024年にドル円が161円台に上昇した際に円安を阻止した本邦通貨当局がドル売り・円買い介入に踏み切る可能性には警戒しておきたい。
また、トランプ米政権は、米国の貿易赤字の削減のために、関税を引き上げ、ドル安を志向している。28日頃に予定されている日米首脳会談に向けて、日米政権からのドル高・円安に対する牽制には警戒しておきたい。
(山下)
DZHフィナンシャルリサーチ提供: 2025.10.10
作成日
:2025.10.10
最終更新
:2025.10.10
株や為替を中心とした情報サービス提供企業であり、多くのFX会社にニュースを配信している。
為替分野では、各市場の概況からアナリストの独自分析まで幅広い記事を取り扱う。
ディーラー業務経験者など、経験豊富な専門家を揃えている。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
日本でも税率20%でビットコインのトレードが可能?IG証券がIBIT・ETHAのCFD取扱い開始
2025.10.10 19:30
XMTradingが新銘柄GAUUSDを追加!取引コストはGOLDより割高か
2025.10.10 19:00
【要注意】堀江氏・テスタ氏のディープフェイク広告が急増中?国内で詐欺の事例も
2025.10.08 19:00
Exnessがスプレッドを最大30%OFF!仮想通貨・株価指数で大幅縮小
2025.10.02 19:00
SNSでステーブルコイン利息の議論が勃発!Bybitで手軽にUSDT等を高利回り運用
2025.10.01 19:00
Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意
2025.09.29 19:30
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー