作成日
:2025.02.04
2025.02.04 08:01
3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一時154.02円まで下落した。トランプ関税が米経済や企業収益に悪影響を与えるとの懸念が高まり、ダウ平均が一時660ドル超下落し、リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となった。その後、米政府による対メキシコ関税が1カ月先送りになったことや株価の下げ渋りとともに155.01円付近まで下げ幅を縮めた。ユーロドルは米政権の対メキシコ・カナダ関税延期を受けて1.0350ドルまで上昇した。ユーロ円は157.97円まで下落した後、160.15円まで反発した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領によるトランプ関税に関する発言を見極めながらの相場展開が予想される。
昨日は、トランプ米政権の対メキシコ・カナダに対する関税延期が報じられ、メキシコとカナダは国境に1万人の警備隊を配置することで合意した。
今回のカナダとメキシコへの関税発動の先送り決定は、トランプ米大統領が関税をあくまで交渉の材料と考えており、米国経済への痛みを伴うトランプ関税には消極的との見方を強めるものとなっている。
トランプ米大統領は、中国に対する10%の追加関税をさらに引き上げる可能性があると警告し、24時間以内に中国と協議する可能性があると述べたが、協議内容次第では、関税先送りの可能性があることで、関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
トランプ関税による相場への影響は、ベッセント米財務長官は「貿易赤字が減少することでドル高要因」と述べているが、米国のコストや株価下落懸念によるリスク回避要因とも捉えられる。第1次トランプ米政権(2017年~2020年)のドル円は、2017年1月の高値118.60円が全期間中の高値となっていた。ドル・人民元(オフショア)は、米中貿易不均衡の是正により、最終年の2020年5月に7.1965元まで上昇していた。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。米国の2024年10-12月期の国内総生産(GDP)は29.7兆ドルだったので、コストは5300億ドル程度となる。
トランプ関税の負担者は米国の消費者だが、トランプ政権の高官は、ドルが上昇すれば、輸出国が負担することになるとのことである。
7日予定されている日米首脳会談では、日本に対するトランプ関税の有無、ドル高・円安への牽制などに要注目となる。昨年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、トランプ氏は「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べていた。
米国の貿易赤字は以下の通りとなっている。
【日本】 【中国】 【カナダ】 【メキシコ】
トランプ関税: 10% 25% 25%
2024年1-11月:625億ドル 2704億ドル 549億ドル 1572億ドル
2023年:715億ドル 2791億ドル 642億ドル 1524億ドル
2022年:677億ドル 3821億ドル 781億ドル 1278億ドル
【第1次トランプ米政権】
2020年: 3079億ドル
2019年: 3426億ドル
2018年: 4182億ドル
2017年: 3751億ドル
(山下)
DZHフィナンシャルリサーチ提供: 2025.02.04
作成日
:2025.02.04
最終更新
:2025.02.04
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