作成日
:2021.04.30
リフレーション(reflation)とは、経済が物価下落の状態にあるデフレーションを脱却したものの、明確なインフレーションには至っていない状態のことです。
デフレーションによる不況を脱却し、リフレーションになるよう金融緩和や財政出動を強力に実施することを「リフレ政策」といい、リフレ政策の推進を図る人々を「リフレ派」と呼びます。安倍晋三元総理は再登板の際、リフレ派経済学者からの影響を強く受け、リフレ政策を支持する黒田東彦氏・岩田規久男氏を日本銀行総裁・副総裁に起用し「アベノミクス」を推進しました。
元々、インフレ率が低迷した際や経済ショックなどに対して金融緩和で対処することは世界共通であり、日銀も金利の操作による景気の制御は行っていました。しかし、昭和初期の世界恐慌の際に高橋是清大蔵大臣の行った政策を研究する勉強会をもとに形成されていった「リフレ派」は、日本が1990年代以降デフレ不況から脱却できないのは金融緩和の不足によるものだと強く主張しています。
リフレ政策の核には、年率2%程度の穏当なインフレ率を実現させるための「インフレ目標と無期限の長期国債購入」がありました。現在では日本だけでなく、世界各国の中央銀行がインフレ目標を設定し、リフレーションから穏当なインフレ状態になるよう緩和的な金融政策をとっています。
世界の先進国の多くは低成長経済に突入し、物価上昇率は長期低迷しているため、ゼロ金利もしくはマイナス金利・量的緩和というリフレ政策を続けています。ある程度景気が浮揚しリフレ政策からの脱却を図るには、量的緩和策としての金融資産の買い入れを減らす「テーパリング」が必要となりますが、そのうわさが出るだけで金融市場は激しく動揺します。テーパリングをきっかけに、一気にリスクオフに傾く場合もあるためです。
作成日
:2021.04.30
最終更新
:2024.11.15
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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