Select Language

インフレ目標

読み方 いんふれもくひょう
同義語 インフレターゲット

インフレ目標とは、中央銀行が掲げる物価上昇率(インフレ率)の数値目標のことで、2%程度を採用する国が多いです。インフレとは、物価が上昇することを指す「インフレーション」の略で、物価の安定を維持することによって長期的な経済成長がもたらされるという考え方に基づいて数値目標が設定されます。

インフレ率を明示することにより、金融政策への理解と予測が進み、企業や家計も経済政策を信頼して経済活動を行うことができるという効果があります。しかし、現実には数値目標をなかなか達成できない場合も少なくありません。インフレ目標は、インフレ率を上げることを目指す場合も、下げることを目指す場合もありますが、物価が下落するデフレーション(デフレ)に苦しむ国が増えた現在では、ほとんどの国で物価上昇を目指すための数値目標となっています。

knowledge 当初はインフレ抑制が目的だった

世界で初めてインフレ目標を導入したのはニュージーランド準備銀行で、1990年のことです。当時の世界経済は、物価が常に上がっていくインフレ基調にあることが一般的で、ニュージーランドでは物価を抑えることも含め、安定的に推移させていく意味で導入されました。

その後、先進国経済は長期にわたり低成長に悩まされ、インフレは常に低い状態に留まるばかりか、デフレに落ち込むことが懸念されるようになりました。その結果、インフレ高騰を抑える意味で導入されたインフレ目標は、意味合いを変質させてゆき、現在のように、物価上昇のための数値目標として扱われることが多くなりました。

中央銀行はインフレ目標を達成するために、金利の上げ下げや通貨量の増減、国債ETF上場投資信託)・REIT(不動産投資信託)等の買い入れといった、さまざまな手段を講じます。これらを総称して金融政策と呼びますが、多くの中央銀行はインフレ目標の数値は政府と共有するものの、手段(金融政策)は完全に委任される「手段の独立性」が認められています。

FXでは、インフレ率の高い通貨はインフレ率の低い通貨に比べて価値が下がっていくため、通貨安になりやすい傾向があります。逆に、新興国通貨は高インフレ率の裏返しとして金利が高いことがあります。インフレ率の動向は、金融政策を左右する要素として重要です。


Date

作成日

2021.01.20

Update

最終更新

2023.02.05

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

arrow
斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

arrow
山田 大護

1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。

【紹介ページ】
http://www.kplaw.jp/lawyers/yamada/

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル