作成日
:2021.05.31
RCIとは、統計学の「スピアマンの順位相関係数」を使用したオシレーター系指標です。時間と価格のそれぞれに順位をつけ、その相関性によって分析を行います。英語の表記では「Rank Correlation Index」で、その略称としてRCIと呼ばれます。
ほとんどのテクニカル指標が価格を計算対象としているのに対して、時間という概念を加えている点が大きな特徴です。RCI単体の数値だけでなく、期間の異なる複数本のRCIを表示させ、その位置関係から分析を行う手法も有名です。
時間に関しては、日足であれば現在に最も近い日付を1位として、そこから過去にさかのぼるごとに順位が下がっていくようにランク付けをします。もう一方の価格については、その期間の中で高い順に1位からランク付けをします。期間中ずっと上昇しているのであれば両者の相関性は100%なのでRCIは+100となり、逆に下降トレンドだった場合は逆相関になるのでRCIは-100となります。
日足での計算式は下記の通りです。
基本的な使い方として、ゼロより下から上抜けしてきたときが買いサイン、逆にゼロより上から下抜けしたときは売りサインとなります。また、+80と-80が売買サインを見極める一つの基準とされています。+80はすでにRCIが高い水準ですが、そこからさらにRCIが上昇したときは上昇余地が少ないとして売りサイン、その逆にRCIが-80からさらに下回ってきたときは買いサインと判断することができます。
なお、RCIでは「今どこにあるか」よりも「動き始めたところ」をサインとする使い方もあり、RCIの向きが変わって「上がり始めた」「下がり始めた」といったタイミングを売買サインとみなすこともできます。
短期・中期・長期など複数本のRCIで分析を行う場合は、移動平均線と似た使い方をします。短期の線が長期の線を上抜けしたら「ゴールデンクロス」、逆に短期の線が長期の線を下抜けしたら「デッドクロス」となり、それぞれ相場の転換点がきていることを示唆しているとされます。
RCIは、日本のFX会社のチャートソフトに多く採用されていますが、海外のトレーダーにはあまり知名度がありません。MetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)にも標準搭載されていないため、使用したい場合はカスタムインディケータを入手する必要があります。
作成日
:2021.05.31
最終更新
:2024.11.20
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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