作成日
:2021.01.29
逆イールドとは、長期金利が低迷して短期金利の水準を下回り、イールドカーブ(利回り曲線)が右肩下がりになる長短金利の逆転現象のことをいい、景気後退の兆候として捉えられます。
通常、長期金利は短期金利の水準を上回っており、イールドカーブは右肩上がりの曲線(順イールド)になりますが、それとは反対の曲線を描くことから逆イールドと呼ばれます。
長期金利・短期金利はそれぞれ、償還期間の異なる債券の利回りが基準となります。米国国債市場において10年債の利回りが3か月物米財務省短期証券の利回りを下回る逆イールドは、これまでに何度か米国の景気後退の兆候となった経緯があり、注目を集めます。市場関係者への心理的なインパクトが大きい現象です。
景気低迷が意識されると、投資家はリスク資産から安全資産である長期国債に資金をシフトする傾向があり、利回り確保のために短期国債から長期国債へ移る動きも発生します。長期国債が買われれば利回りは下がっていき、その結果として逆イールドが発生します。
逆イールド発生がすぐに景気後退開始につながるということではありません。米国で1998年5月に逆イールドが発生してから景気後退入りまでは2年10か月もの間が空きました。逆イールドが発生したからといってパニック的にリスク資産を売却したり、安易にドル安を予想した取引をしたりすることは避けた方が無難といえます。
作成日
:2021.01.29
最終更新
:2024.11.20
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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