作成日
:2020.12.29
コモディティ(Commodity)とは、「商品」という意味で、金融分野では商品先物市場で取引されている農業・鉱業などの産物のことをいいます。原油やガソリンなどのエネルギー、金や銀・プラチナなどの貴金属、トウモロコシや豚肉・小麦・大豆などの農産物が取引されています。
日本でも商品先物市場の歴史は長く、その始まりは1730年に大阪に開設された堂島米会所です。稲を栽培し米を売る農家と、米を買う仲買人の間で、近い将来に穫れる米を売買しました。目的は、お互いの不測の事態に備えたリスクヘッジです。生産者にすれば、豊作で米が穫れすぎたとしても、事前に販売価格を決めておくことができれば、価格の暴落を防ぐことができます。購入者にすれば、凶作になっても暴騰した価格で買わずに済みます。このようなお互いの都合や思惑が、先物市場で折り合っていきます。
金融経済が極度に発達した現在では、FXなどと同様に、リスクヘッジの需要(実需)よりも投資運用目的の資金が大きくなっています。商品価格は品目によって値動きの傾向やトレンドが異なり、また株式や債券の値動きとも連動性(相関)が小さいため、分散投資をする上で都合が良いとされています。商品への投資方法としては、商品市場で直接買い建て・売り建てを行う他、商品先物市場で運用される商品ファンドや、複数の商品をまとめた商品指数に連動する投資信託などがあります。
2020年の春、新型コロナウイルスのパンデミックが欧米諸国をロックダウンに追い込み、金融市場を経済ショックが襲いました。その最中、4月20日のWTI原油先物価格(5月物)が、何と1バレルあたりマイナス37.6ドルに下落しました。価格がマイナスということは、売り手はお金を払ってでも原油を買い取ってもらいたく、原油の買い手となればお金がもらえるという異常事態です。世界経済の停滞により一時的に需要が乏しくなり、原油が大量にだぶついたことが原因で引き起こされた珍事です。ただし、これは5月を期限とする先物に限った話で、それ以降は世界経済への先行き不安が和らいだことにより、原油先物価格は回復していきました。
作成日
:2020.12.29
最終更新
:2024.11.18
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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