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資産買い入れ

読み方 しさんかいいれ

資産買い入れとは、中央銀行が金融政策を行う手段として、金融市場で流通している金融資産を買い入れることをいいます。中央銀行は通常の金融調節作業として銀行間市場で債券や手形などの資産を売買していますが、資産買い入れが特に注目を集めるようになったのは、量的金融緩和の手段として大規模に国債を買い入れるようになってからのことです。

日本では1999年に政策金利がゼロになり、日本銀行は金融政策の主力となる方法を失いました。その時点では金利をゼロ以下に下げることはできないと考えられていたためです。その後も経済が上向かなかったことから、日本銀行は2001年より市中銀行が保有する国債を大規模に買い上げ、マネタリーベースを拡大することで市中に出回るマネーの量を増やし、緩和効果を生み出す「量的金融緩和」を開始しました。

knowledge 拡大する資産買い入れ

日本銀行は長期にわたって量的緩和政策を拡大・継続したものの、金利を再上昇させるほどの決定的な緩和効果は得られず、物価や景気はわずかな上昇にとどまりました。2010年には国債に加えて株式ETFとJ-REITの買い入れを始め、2013年に始まった異次元緩和では株式ETFとJ-REITの買い入れ額が一挙に増額され、日本銀行は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と並んで国内企業の大株主となっています。

資産買い入れは、海外の中央銀行も行っています。米連邦準備理事会(FRB)は、2020年の新型コロナウイルスによる経済ショックに対応するため、国債に加えて社債ETFやハイイールド債ETFを大量に買い入れ、企業の資金繰り支援と金融市場の安定に努めました。

投資家にとっては、中央銀行による資産買い入れ額の増減はチェックするべきファンダメンタルズの一つといえます。特に買い入れ額の減少が始まった際には、金融政策の方向転換に注意が必要です。


Date

作成日

2021.01.29

Update

最終更新

2022.04.20

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

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斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

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山田 大護

1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。

【紹介ページ】
http://www.kplaw.jp/lawyers/yamada/

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