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Segwit

読み方 せぐうぃっと

Segwitとは、「隔離された署名領域」を意味する「Segregated Witness」の略称で、トランザクション(取引)の識別を行うトランザクションIDの算出に、改ざんが可能な署名データを含めず、隔離することを指します。これにより、トランザクションの改ざんが防止できる他、一つのブロックに入るデータ量が抑えられるため承認作業のスピードが向上します。いくつかの仮想通貨(暗号資産)がSegwitを採用しており、2017年8月に行われたビットコインのソフトフォークでも実装されました。

Segwitの仕組み

ビットコインでは、トランザクションを「スクリプト」と呼ばれる計算方式で暗号化して「トランザクションID」を発行します。トランザクションIDは各トランザクションの識別を行うものですが、トランザクションIDの算出に用いられる署名データが改ざん可能であるため、トランザクションIDそのものも改ざん可能です。そして、トランザクションの識別にトランザクションIDのみを使用しているウォレットでは、同一のトランザクションを再度使用する「二重送金」に悪用されることもあります。これを「トランザクション展性(マリアビリティ問題)」といい、Segwitによって改ざん可能な署名データを隔離することで解決することができます。

また、ビットコインは1ブロックにおける容量が1MBに制限されていることで、取引量の増加にビットコインの処理速度が追いつかず、結果としてトランザクション承認作業の遅延が発生してしまう「スケーラビリティ問題」という欠点も抱えています。Segwitによって署名データを隔離することで、その分1つのブロックに入るデータ量が抑えられ、処理速度が向上します。Segwitは、トランザクション展性とスケーラビリティ問題という2つの課題の解決を目的に導入されました。

point Segwit実装による新たな問題

Segwitの実装について、新たな問題も浮上しています。Segwit実装の仕様は複雑になっており、実装したビットコインを保管するにはウォレットもSegwitに対応しなければなりません。さらに、取引手数料の相場低下によるマイニング報酬の減少や、トランザクションを分けたことによる通信量の増加など幾つかの問題点が浮上しており、Segwit普及の足止めとなっています。


Date

作成日

2021.07.30

Update

最終更新

2024.11.21

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

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斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

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山田 大護

1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。

【紹介ページ】
http://www.kplaw.jp/lawyers/yamada/

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