Select Language

スパンモデルを使ってできるFXのスキャルピング手法3選

スパンモデルを使ってできるFXのスキャルピング手法3選

  • twitter
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • twitter
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2023.03.30 17:20
スパンモデルを使ってできるFXのスキャルピング手法3選

update 2023.03.30 17:20

スパンモデルは、FXで使われるテクニカルインジケーターです。一目均衡表と見た目は似ていますが、インジケーターを構成している要素が少なく、現在の価格を重視している点で異なります。

そのためスパンモデルは、価格への反応が早く、使い方もシンプルであることから、スキャルピングのような短期取引に適したインジケーターとしても知られています。

この記事では、スパンモデルをつかったスキャルピング手法について、実際のチャート画像を用いて解説します。

スパンモデルとは?

スパンモデルは、元証券ディーラーである「マーフィー」こと、柾木利彦さんが考案したテクニカルインジケーターです。青色スパン、赤色スパン、そして遅行スパンという3つのシンプルな線で構成されていることが特徴です。

スパンモデル構成要素

青色スパン、赤色スパンはそれぞれ、短期トレンド、長期トレンドの有無と方向性を示しています。また青色と赤色の両スパンの間には一目均衡表の雲のようなもの(ゾーン)が表示されます。そしてピンク色の線で表示されている遅行スパンは、相場環境全体を把握するために用いられます。

ゾーンの色の変化でトレンドの転換を察知し、ローソク足と遅行スパンの位置関係で売買タイミングを図るのが、スパンモデルを使った取引の基本です。

point 一目均衡表との違い

スパンモデルの見た目は一目均衡表と似ていますが、構成要素が一目均衡表と比べると少ないです。一目均衡表は視覚的に判断できるインジケーターですが、構成要素が多いため正確な分析をするには十分な知識と慣れが必要となります。一方でスパンモデルは、一目均衡表の視覚的な分かりやすさとシンプルさを両立しています。

スパンモデルがスキャルピングに適している理由

スパンモデルがスキャルピングに適しているといわれる理由として、以下の3つがあります。

現在の相場価格を反映しやすい

スパンモデルは現在の相場価格を重視して作成されているインジケーターです。そのため、現在価格に対する反応性が高く、スキャルピングのような短期トレードに適しています。

また1分足や5分足など最も短い時間軸であっても売買シグナルの精度が高く、エントリーのチャンスも多いため、スパンモデルはスキャルピングとの相性抜群なのです。

ゾーンの色の変化で相場の転換点が分かる

スパンモデルでは、以下のようなゾーン色の変化によって相場の転換点が視覚的に判断できます。

  • ゾーンが赤色から青色に変わったら上昇トレンド開始
  • ゾーンが青色から赤色に変わったら下落トレンド開始

上記のようなトレンド転換が長期足だけではなく短期足でも確認できるため、短期足でいち早く相場の方向性を見極めて、スキャルピングができます。

以下の画像は、豪ドル円の1分足チャートにスパンモデルを表示したものです。

スパンモデルのゾーンの色変化

3時29分頃、ゾーンが青色から赤色に変わった部分で下落トレンド開始のシグナルを発し、シグナル通り相場価格が下落しました。その後、下落トレンドが終了し、ローソク足は底打ちを示しました。底打ちを示してからしばらくし、ゾーンが赤色から青色に転じている部分でちょうど上昇トレンドが始まっています。

相場価格が下げ止まったところですぐに上昇トレンドのシグナルを発することはなく、トレンドが転換した部分で正確にシグナルを示していることがわかります。このように短期足でトレンドの転換を正確かつ早期に察知できるため、スキャルピングの勝率が高められます。

遅行スパンで売買タイミングがわかる

スキャルピングでは、いかに早くエントリーポイントを見つけるかが重要です。遅行スパンは、トレンドの方向性を把握するだけでなく、売買タイミングを見極めることにも優れているため、タイミングが重要であるスキャルピングに役立ちます。

スパンモデルの遅行スパンでは、以下のようにローソク足との位置関係で売買タイミングを見極めます。

  • 遅行スパンがローソク足を上回れば買い
  • 遅行スパンがローソク足を下回れば売り

以下の画像は、ポンド円の5分足チャートにスパンモデルを表示したものです。

遅行スパンの売買タイミング

9時25分頃、遅行スパンがローソク足を下から上に追い抜き、買いのタイミングであるシグナルが発生しました。シグナル発生時に買いエントリーをすると、一時価格は下落しましたが、その後の上昇トレンドに乗ることができました。

また遅行スパンのシグナルに加えて、ゾーンの色の変化によるトレンド転換を組み合わせることで、よりスキャルピングの精度を上げられます。

point 遅行スパンとは?

遅行スパンは、ローソク足の終値を過去にシフトして表示しているラインです。ローソク足何本分前にシフトさせるかは設定により変更可能ですが、デフォルトの「26」から変更しないことがオススメです。

スパンモデルを使ったスキャルピング手法

スパンモデルを使ったFXのスキャルピング手法を3つ、1分足または5分足のチャート画像を用いて紹介します。ここで紹介する3つの手法は組み合わせて利用可能です。

point スキャルピングの勝率を高める方法

スパンモデルはトレンド相場に強いインジケーターであるため、レンジ相場ではエントリーを見送るようにしましょう。相場環境を見極めるためには、より上位の時間軸のチャートを分析することで、全体の相場環境を把握できます。

ゾーンの色が変わったところでエントリー

スパンモデルのゾーンの色の変化に注目した、とてもシンプルなスキャルピング手法であり、基本的に以下の2つの方法で売買をします。

  • ゾーンが赤色から青色に変わったら買い
  • ゾーンが青色から赤色に変わったら売り

以下の画像は、ドル円の1分足チャートにスパンモデルを表示したものです。

ゾーンを利用したスキャルピング

このチャートでは、スパンモデルのゾーンが売買シグナルを2回発しています。1回目は3時59分にゾーンが青色から赤色に変わった部分、2回目は4時31分にゾーンが赤色から青色に変わった部分です。

どちらもシグナル発生後、シグナルの方向通りに相場価格が動きました。ゾーンの色の変化によるトレンド転換の売買シグナルが1分足で確認できることから、スキャルピングに利用できることがわかります。

遅行スパンとローソク足を使ってエントリー

遅行スパンとローソク足の位置関係から、以下のようにスキャルピングのエントリータイミングを図ります。

  • 遅行スパンがローソク足を上回ったら買い
  • 遅行スパンがローソク足を下回ったら売り
遅行スパンを使ったスキャルピング

3時59分頃、遅行スパンがローソク足を下から上に交差し、買いの売買シグナルが発生しました。ここではまだエントリーをせず、ゾーンの色が上昇トレンドへ転換するのを待ちます。4時30分頃、ゾーンの色が赤から青へ変化し、上昇トレンド開始のシグナルが発生しました。

シグナル発生後、エントリーをすると、スキャルピングでの買いエントリーが成功したことになります。

ゾーンの反発でエントリー

スパンモデルでは、一目均衡表の雲と同じく、ゾーンがサポートやレジスタンスとして機能することが多くあります。そのため以下のようなゾーンをサポートやレジスタンスとした、反落狙いのスキャルピングができます。

  • ゾーンが青色で雲の上限にタッチしたら買いシグナル
  • ゾーンが赤色で雲の下限にタッチしたら売りシグナル
ゾーンの反発を使ったスキャルピング

5時10分頃、ゾーンが青色から赤色に変わり、下落トレンド転換のシグナルが見られました。下落トレンド開始後、トレンド中では何度かローソク足がゾーンの下限(青色スパン)にタッチもしくは近づくも、跳ね返されて反落している様子が見て取れます。

ゾーンでの反発は遅行スパンとローソク足が交差するまで続いており、戻り売りのスキャルピングトレードが機能するタイミングが何度もありました。

スパンモデルを使ったスキャルピングでの注意点

スパンモデルはスキャルピングのような短期売買に適したテクニカルインジケーターですが、いつでも有効に機能するわけではありません。スパンモデルをスキャルピングに利用する際には以下の2つの点に注意する必要があります。

レンジ相場では通用しにくい

スパンモデルはトレンド相場で機能するテクニカルインジケーターです。以下のようなレンジ相場では、スパンモデルの各要素が絡み合って、見づらく、分かりやすい売買シグナルを見つけるのは困難です。

レンジ相場でのスパンモデル

スパンモデルを使うスキャルピング手法はいずれも、トレンドが発生していることを前提としているため、レンジ相場ではエントリーを見送るようにしましょう。

スパンモデル自体が若干マイナー

スパンモデルは有効に機能するテクニカルインジケーターですが、取引環境によっては使えない可能性があります。今回、MT4のチャートを使用してスキャルピングの手法を解説しましたが、MT4ではデフォルトで使うことはできず、外部サイトからダウンロードする必要があります。

スパンモデルは、GogoJungle(ゴゴジャン)などのEAやインジケーターを提供、販売しているサイトでダウンロード可能です。

スキャルピング以外でも使える

スパンモデルの利用方法はシンプルですが、スキャルピングで利用する際は、瞬時の判断が必要となるため、事前に使い方に慣れておくことが重要です。まずはチャートにスパンモデルを表示して、チャートを観察することから始めてみるとよいでしょう。

また、スパンモデルはスキャルピングに向いていますが、デイトレードやスイングトレードでも利用できます。利用方法はスキャルピングと同じで、ゾーンの色の変化や遅行スパンとローソク足の位置関係を使って、エントリー・決済を行います。


Date

作成日

2023.03.30

Update

最終更新

2023.03.30

Myforex編集スタッフーFX担当ー

FXトレード歴7年で、海外FX業者の利用経験が豊富。テクニカル分析を用いた短期トレードが得意で、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)を取得。テクニカル分析からFX業者比較まで、FX関連の幅広い記事の執筆を行う。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

GEMFOREXがM&Aによる事業継承の協議を開始

海外FX業者のGEMFOREXを運営するGemTrade LLCが、全事業を売却することを発表しました。2023年8月1日までにM&Aを完了するとしています。M&Aによって通常通り出金が再開されるのかユーザーの注目を集めています。
update2023.05.29 21:00

GEMFOREXが出金遅延の原因を公開|50億円の持ち逃げと10億円の未払いの被害も影響

海外FX業者のGEMFOREXが出金遅延問題に関する情報を更新し、2022年後半に決済代行会社による50億円の持ち逃げが発生していたことが明らかになりました。また、別の決済代行会社による10億円の未払いも発生しているようです。全額出金されるのか、ユーザーの間で不安が広がっています。
update2023.05.15 21:00

トラベルルールとは?TRUSTとSYGNAでの分断や回避策について解説

トラベルルールとは、取引所の顧客が仮想通貨を送金する際、送金元の取引所が送金先の取引所に一定の情報を通知するというルールです。日本でも導入され、問題点が明らかになっています。
update2023.05.22 21:00

GEMFOREXがサービス休止を発表|出金停止やMT4/MT5の接続状況悪化で混乱も

海外FX業者のGEMFOREXがサービスの停止を発表しました。決済代行会社の未払い・持ち逃げが原因とされる出金遅延や、M&Aの発表で、動向が注目されていたGEMFOREXですが、出金遅延に対応するためサービスを停止するとしています。
New
update2023.06.01 21:15

GEMFOREXユーザーが決済代行会社を訴訟予定?銀行入金停止で一層不穏な状況に

海外FX業者GEMFOREXのユーザーの一部が、GEMFOREXの決済代行会社の訴訟を検討しているようです。GEMFOREXでは、2022年12月頃から出金遅延が発生していました。そういった中、LINEのオープンチャット上で被害を受けているユーザーが訴訟に向けて動き出しているようです。
update2023.05.31 20:00

メルカリでビットコインを買うメリットは?スプレッドは1%で手数料は無料

2023年3月9日、メルカリがビットコイン取引サービスを開始しました。約2週間で利用者数10万人を突破し、大きな話題となっています。
update2023.04.17 21:00

Twitterから消えたGEMFOREX|出金遅延に関する通報が原因?

2023年4月27日、GEMFOREX(ゲムフォレックス)の公式Twitterアカウントが、削除されました。ただし、GEMFOREXは引き続きサービスを提供している模様です。
update2023.04.28 21:00

仮想通貨AZEROの将来性は?高性能ブロックチェーンAleph Zeroの特徴や利用可能なDAppを解説

AZEROはAleph Zeroが発行する独自仮想通貨です。Aleph Zeroはレイヤー1のブロックチェーンで、様々なDappsが開発されています。
update2023.04.17 20:00

カップウィズハンドルとは?売りでの活用例やだましへの対策も実例で解説

カップウィズハンドルとは、ローソク足が形成するチャートパターンの一種です。価格が上昇したあと、アーチ状に緩やかなカーブを描いて下落してから再上昇し、上方向にブレイクします。この記事では、チャート画像を用いながら、実際に利用したトレードを解説します。
update2023.03.23 19:30

Bybitカードが日本上陸か?Bybitのデビットカードの使い道や注意点を解説

Bybitカードは大手取引所Bybitが発行する仮想通貨(暗号資産)デビットカードで、ヨーロッパで利用されています。
update2023.05.23 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

Twitter

Twitter

キャンセル