Select Language

標準偏差チャネルを表示・設定する方法

MetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)では、統計学の線形回帰と標準偏差の概念を組み入れた標準偏差チャネルを表示させることができます。標準偏差チャネルは、線形回帰ラインと上下2本の合計3本のラインで構成され、上下2本のラインが基準となるラインからどれだけ離れるかが、チャネルの計算期間内の値動きによって変動する点が線形回帰チャネルとの大きな違いです。線形回帰チャネル同様、線形回帰ラインの上部のラインはレジスタンスライン(上値抵抗線)、下部のラインはサポートライン(下値支持線)として機能し、ブレイクポイントの目安として判断することができます。

参照:線形回帰チャンネルを表示・設定する方法

ここでは、MT4/MT5での標準偏差チャネルを表示・設定する方法について説明します。

MT4/MT5のそれぞれの説明はタブ切替でご確認いただけます。

mt4
mt5

手順1

メニューバーの「挿入」をクリックします。「チャネル」にマウスポインターを動かし、「標準偏差」を選択します。

メニューバーから標準偏差を選択 メニューバーから標準偏差を選択
point ツールバーに表示も可能

標準偏差チャネルを描画できるボタンは、デフォルト設定ではツールバーに表示されていませんが、ツールバーのカスタマイズを行うことで、ボタンを表示させることも可能です。

参照:ツールバー内のボタンをカスタマイズする方法

MT4では、「挿入」メニューから直接選択できるアンドリューピッチフォークを含め、5種類のチャネルを表示できます。

  1. フィボナッチ

    フィボナッチチャネル

    フィボナッチチャネルは、描画したトレンドラインに対して、フィボナッチ比率でずらした平行なチャネルラインが引かれます。

  2. 線形回帰

    線形回帰チャネル

    ローソク足終値を使って中心線(回帰直線)を描き、その上下に等間隔の平行線を引きます。平行線は、中心線から最も遠い終値を通ります。

  3. 平行チャネル

    平行チャネル

    平行な2本のラインを描画します。各ラインは平行を保ちつつ別々に移動させることができます。

  1. 標準偏差

    標準偏差チャネル

    各ローソク足の終値を使って中心線(回帰直線)を描き、中心線から標準偏差だけ離れた位置に2本の平行線を引きます。

  2. アンドリューピッチフォーク

    アンドリューピッチフォーク

    トレンドの起点・その直後の高値安値の計3点を使用して、3本の平行線を引きます。MT5では、フィボナッチを利用した破線も描かれます。

手順2

チャート上で、標準偏差チャネルの起点となる箇所をクリックし、終点までドラッグすると、標準偏差チャネルが形成されます。

チャート上で標準偏差チャネルを形成 チャート上で標準偏差チャネルを形成

手順3

チャート上に表示した標準偏差チャネルの位置を調整する場合、標準偏差チャネル上に白点が表示されていることを確認し、変更箇所に応じて、各白点の位置を変更します。白点が表示されていない場合は、線形回帰ライン付近でダブルクリックすると、標準偏差チャネルに白点が表示され、編集が可能な状態になります。

標準偏差チャネルの位置を調整 標準偏差チャネルの位置を調整

番号

説明

1

標準偏差チャネルの起点の位置を変更します。

2

標準偏差チャネルの位置を変更します。

3

標準偏差チャネルの終点の位置を変更します。

point 標準偏差チャネル作成時に表示される数値
標準偏差チャネル作成時に表示される数字 標準偏差チャネル作成時に表示される数字

ドラッグ時に表示される数値は、起点から終点までの足の数とポイント数を示します。

手順4

標準偏差チャネルの設定の変更を行う場合、標準偏差チャネルの線形回帰ライン付近で、右クリックし「StdDev Channel プロパティ...」を選択します。

標準偏差チャネルの設定を変更 標準偏差チャネルの設定を変更

手順5

標準偏差チャネルの設定画面が表示されます。「全般」「パラメーター」「表示選択」の3つのタブ内で標準偏差チャネルの詳細設定を行い、設定完了後、「OK」ボタンをクリックします。

「全般」タブの設定

標準偏差チャネルの「全般」タブを設定 標準偏差チャネルの「全般」タブを設定

番号

項目名

説明

1

名前

標準偏差チャネルの名称を付与します。

2

説明

説明を入力すると、チャート上の線形回帰ラインにマウスポインタ―を当てた時、説明を表示することができます。

3

スタイル

表示する標準偏差チャネルの色、線の種類、線の太さを設定します。

4

背景として表示

標準偏差チャネルをチャートの後ろ側に表示する場合は、チェックを入れます。

「パラメーター」タブの設定

標準偏差チャネルの「パラメーター」タブを設定 標準偏差チャネルの「パラメーター」タブを設定

番号

項目名

説明

1

起点の位置

起点の位置を日時で指定します。

2

終点の位置

終点の位置を日時で指定します。

3

ラインを延長

標準偏差チャネルを右側に延長する場合は、チェックボックスにチェックを入れます。

4

偏差

標準偏差の倍率を指定します。「2」とすると、標準偏差±2σの幅で標準偏差チャネルが形成されます。

point ライン延長は将来の分析に役立つ

「ラインを延長」とは、チャネル等のオブジェクトに設定できるパラメータで、ラインが終点より先に延長される機能のことです。これにより、ある時点での起点から終点までの値動きで判断したラインが未来に延長されることになり、分析がしやすくなります。

ラインを延長機能 ラインを延長機能

「表示選択」タブの設定

表示する時間足を指定する場合、「表示選択」タブ内で、詳細設定を行います。

標準偏差チャネルの「表示選択」タブを設定 標準偏差チャネルの「表示選択」タブを設定

手順1

メニューバーの「挿入」をクリックします。「オブジェクト」、「チャネル」の順にマウスポインターを動かし、「標準偏差チャンネル」を選択します。

「標準偏差チャネル」を選択 「標準偏差チャネル」を選択
point ツールバーに表示も可能

標準偏差チャネルを描画できるボタンは、デフォルト設定ではツールバーに表示されていませんが、ツールバーのカスタマイズを行うことで、ボタンを表示させることも可能です。

参照:ツールバー内のボタンをカスタマイズする方法

MT5では、「フィボナッチ係数」メニューから選択できるフィボナッチチャンネルを含め、5種類のチャネルを表示できます。

  1. 平行チャネル

    平行チャネル

    平行な2本のラインを描画します。各ラインは平行を保ちつつ別々に移動させることができます。

  2. 標準偏差チャンネル

    標準偏差チャネル

    各ローソク足の終値を使って中心線(回帰直線)を描き、中心線から標準偏差だけ離れた位置に2本の平行線を引きます。

  3. 回帰チャンネル

    線形回帰チャネル

    ローソク足終値を使って中心線(回帰直線)を描き、その上下に等間隔の平行線を引きます。平行線は、中心線から最も遠い終値を通ります。

  1. アンドリューピッチフォーク

    アンドリューピッチフォーク

    トレンドの起点・その直後の高値安値の計3点を使用して、3本の平行線を引きます。MT5では、フィボナッチを利用した破線も描かれます。

  2. フィボナッチ

    フィボナッチチャネル

    フィボナッチチャネルは、描画したトレンドラインに対して、フィボナッチ比率でずらした平行なチャネルラインが引かれます。

手順2

チャート上で、標準偏差チャネルの起点となる箇所でクリックし、終点までドラッグすると、標準偏差チャネルが形成されます。

標準偏差チャネルの起点となる箇所でクリックし、終点までドラッグすると、標準偏差チャネルが形成 標準偏差チャネルの起点となる箇所でクリックし、終点までドラッグすると、標準偏差チャネルが形成

手順3

チャート上に表示した標準偏差チャネルの位置を調整する場合、標準偏差チャネル上に白点が表示されていることを確認し、変更箇所に応じて、各白点の位置を変更します。白点が表示されていない場合は、標準偏差チャネル付近でダブルクリックすると、標準偏差チャネル上に白点が表示され、編集が可能な状態になります。

変更箇所に応じて、各白点の位置を変更 変更箇所に応じて、各白点の位置を変更

番号

説明

1

標準偏差チャネルの起点の位置を変更します。

2

標準偏差チャネルの位置を変更します。

3

標準偏差チャネルの終点の位置を変更します。

point 標準偏差チャネル作成時に表示される数値
標準偏差チャネル作成時に表示される数値 標準偏差チャネル作成時に表示される数値

ドラッグ時に表示される数値は、起点から終点までの足の数とポイント数を示します。

手順4

標準偏差チャネルの設定の変更を行う場合、標準偏差チャネル付近で、右クリックし「プロパティ (標準偏差チャネル名)」を選択します。

標準偏差チャネル付近で、右クリックし「プロパティ (標準偏差チャネル名)」をクリック 標準偏差チャネル付近で、右クリックし「プロパティ (標準偏差チャネル名)」をクリック

手順5

標準偏差チャネルの設定画面が表示されます。「共有」「パラメータ」「表示選択」の3つのタブ内で標準偏差チャネルの詳細設定を行い、設定完了後、「OK」ボタンをクリックします。

「共有」タブの設定

設定完了後、「OK」ボタンをクリック 設定完了後、「OK」ボタンをクリック

番号

項目名

説明

1

名前

標準偏差チャネルの名称を付与します。

2

説明

説明を入力すると、チャート上に標準偏差チャネルの説明を表示することができます。
参照:オブジェクトの説明の表示を有効にする方法

3

スタイル

表示する標準偏差チャネルの色、線の種類、線の太さを設定します。

4

オブジェクトを背景として表示

標準偏差チャネルをチャートの後ろ側に表示する場合は、チェックを入れます。

5

選択を無効化

標準偏差チャネルの編集を不可にする場合、チェックを入れます。

「パラメータ」タブの設定

「パラメータ」タブの設定 「パラメータ」タブの設定

番号

項目名

説明

1

起点の位置

起点の位置を日時で指定します。

2

終点の位置

終点の位置を日時で指定します。

3

延長・塗りつぶし

標準偏差チャネルを左右に延長する場合や、標準偏差チャネル内を塗りつぶす場合は、各設定のチェックボックスにチェックを入れます。

4

偏差

標準偏差の倍率を指定します。「2」とすると、標準偏差±2σの幅で標準偏差チャネルが形成されます。

point 延長・塗りつぶしとは?

延長とは、チャネル等のオブジェクトに設定できるパラメータで、ラインが終点より先に延長される機能のことです。延長を行うと、ラインが起点・終点より先に延長されます。これにより、ある時点での起点から終点までの値動きで判断したラインが過去・未来に延長されることになり、分析がしやすくなります。一方、塗りつぶしはチャネル内に色をつける機能のことです。これにより、チャネルの範囲がわかりやすくなります。

標準偏差チャネルを延長 標準偏差チャネルを延長

標準偏差チャネルを「右に延長」した場合

標準偏差チャネルを「右に延長」した場合 標準偏差チャネルを「右に延長」した場合

標準偏差チャネルを「左に延長」した場合

標準偏差チャネルを「左に延長」した場合 標準偏差チャネルを「左に延長」した場合

標準偏差チャネルを「塗りつぶし」した場合

標準偏差チャネルを「塗りつぶし」した場合 標準偏差チャネルを「塗りつぶし」した場合

「表示選択」タブの設定

表示する時間足を指定する場合、「表示選択」タブ内で、詳細設定を行います。

「表示選択」タブの設定 「表示選択」タブの設定

Date

作成日

2021.01.22

Update

最終更新

2024.03.31

中丸 貴仁 | Takayoshi Nakamaru

マニュアル制作コンサルタント歴12年 経営学修士(MBA)

arrow
中丸 貴仁

マニュアル制作会社フィンテックスにて、マニュアルに関する様々な顧客課題解決に従事。
金融系からエンターテインメント系まで様々な経験から幅広い業務知識を得て、「分かりやすいマニュアル」のあるべき姿を提示。
複数の大企業で、外部マニュアル制作プロジェクトマネージャーを兼務している。

【企業情報】
http://www.fintecs.co.jp/profile/

監修者情報

高木 明 | Akira Takagi

システムエンジニア・MetaTraderアドミニストレータ

arrow
高木 明

2014年、ブラジルUninove大学 コンピュータ科学科を卒業し、その後、様々なシステム開発に携わる。
2019年にFXサービス立ち上げに開発者として参加。その後、MetaTraderのプラグインおよびAPIの開発にも従事。MetaQuotes社認定の、MetaTrader5 Administratorの資格を保持しており、開発だけでなく、コンサルティングやアドバイザーとしても活躍している。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル