作成日
:2020.11.30
PCEコアデフレータとは、米国の商務省が毎月末に発表している、個人消費支出(PCE)に関連する経済指標です。物価上昇圧力を示す指標であり、この値が高いと、物価が上昇しやすい(インフレになりやすい)局面であることが示唆されます。
PCEコアデフレータは、名目PCEを実質PCEで割った値(PCEデフレータ)と同様に算出されますが、価格変動が大きい食品とエネルギーが除外されています。これにより、PCEデフレータよりも実質的な消費者物価動向を知ることができます。このPCEコアデフレータは、消費段階での物価がどう推移しているのかを知るのに有効です。類似する消費者物価指数(CPI)もこの目的で用いられますが、PCEコアデフレータのほうが調査対象が広く、より実態を反映した数値になっているといわれています。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、金融政策を決定するにあたり、PCEコアデフレータを重要指標の一つとして捉えています。インフレ目標が設定された場合は、主にPCEコアデフレータの数値によって目標が達成されているか判断されます。
適度なインフレは経済への刺激となるため、インフレ目標は景気後退局面で設定されます。FRBのインフレ目標は、米国の不景気への対策として2012年に2%に設定されました。もちろん、高すぎるインフレ率は経済を圧迫するため、目標である2%を超えることは好ましくないとされています。しかし、このインフレ目標を達成することができない期間が長く続いたため、2020年には、長期的に2%のインフレ目標を達成することを目指す、つまり、インフレ率が長期的に2%を下回っている間は2%を超えるインフレ率を容認するという方針に転換しました。
2%を超えるような数値が出ると、過度なインフレが警戒されるPCEコアデフレータですが、2016年以降に前月比で0.4を上回ったことはなく、米国の消費者物価が落ち着いた上昇幅に収まっていることが示されています。そのため、これまでにあまり大きなサプライズを起こしたことはありません。
作成日
:2020.11.30
最終更新
:2024.11.15
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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