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マルチシグ

読み方 まるちしぐ
同義語 マルチシグネチャー
対義語 シングルシグ、シングルシグネチャー

マルチシグとは、仮想通貨(暗号資産)の送金時に複数の電子署名を必要とするセキュリティ技術のことです。マルチシグネチャーの略称で、いくつかの仮想通貨取引所やウォレットで採用されています。なお一つの電子署名を必要とする技術はシングルシグと呼ばれます。電子署名は、本人の署名であることを秘密鍵と公開鍵のペアで検証するため、マルチシグでは複数の鍵のペアが必要となります。

マルチシグの仕組み

マルチシグで送金するために必要となる署名の数は「2/3」といったように表記されます。2/3とは、「三つ作成された秘密鍵のうち、二つの鍵で署名が必要」という意味です。

マルチシグのメリットは、セキュリティの高さにあります。仮想通貨の送金を行うには秘密鍵が必要なため、秘密鍵が流出してしまうと通貨が盗難されてしまいます。マルチシグでは仮に一つの秘密鍵が漏洩してしまっても、他の秘密鍵が流出しない限り通貨の盗難はできません。つまり秘密鍵をそれぞれ別の場所で保管しておけば盗難に遭うリスクを低くすることができるのです。

また秘密鍵を紛失するとウォレットにアクセスができないため、そのウォレット内の資金は永久に利用できなくなってしまいます。しかしマルチシグでは残りの秘密鍵があればアクセスできるため、秘密鍵を紛失した場合のリスクヘッジにもなるのです。

一方でデメリットとしては、秘密鍵が複数あるので管理や設定に手間がかかることが挙げられます。加えてシングルシグに比べて仕組みが複雑なため、送金時の手数料が高くなってしまいます。

knowledge マルチシグの応用、エスクロー取引

エスクロー取引とは、第三者が商取引を仲介する取引方法です。売り手・買い手・仲介人が一つの秘密鍵を持つ2/3のマルチシグを使えば、トラブル時に買い手への返金手続きや、売り手への代金の送金などが仲介人の署名によってできるようになります。取引に問題がなければ仲介人は介入する必要がないため、従来より簡単、かつ迅速に取引を行うことができます。


Date

作成日

2021.09.29

Update

最終更新

2024.11.21

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

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斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

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山田 大護

1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。

【紹介ページ】
http://www.kplaw.jp/lawyers/yamada/

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