作成日
:2021.05.07
ITバブルとは、米国で1990年代の後半から2000年ごろにかけて見られたIT関連株の急騰相場のことです。ビジネスモデルが確立しておらず、青田買いとなるIT企業も物色され、バブル的な株価の高騰が起きたこともあってITバブルと呼ばれています。
ITバブルで買われたのは、ハードウェアのメーカーや当時Windows95の発売で大きな注目を集めたマイクロソフトなど、ベンチャー企業向け市場である米国のナスダックに上場していた企業が大半でした。そのため、ナスダックの株価指数であるナスダック総合指数も急騰し、1,000ポイント前半だったものが5,000ポイントを上回り、約4倍になりました。
ITバブルの波は、日本の株式市場にも押し寄せました。日本国内のIT企業株が急騰し、Yahoo! Japan(当時)やソフトバンク、ライブドアなど日本を代表するようなIT企業の株価が今では想像もつかないような高値をつけました。
2000年ごろからは大きく買われたIT企業がそれほど業績を伸ばすことができず、実態に沿った評価をされるようになったことでIT関連株は急落、ITバブルは終焉に向かいました。後の評価では、まだ一度も黒字を出していないようなスタートアップ企業の株が急騰するなど、異常な相場だったといわれています。
ITバブルの狂乱ぶりは明らかで、多くの市場関係者や投資家は冷ややかな目でこの出来事を振り返ります。しかし、だからといってこうした相場がもう起きないわけではなく、近年も頻繁に起きています。象徴的なのは、2017~2018年にかけて起こった仮想通貨(暗号資産)ビットコインの乱高下です。相場は人の心理が作るものであり、群集心理が働くとバブル相場はいつでも起きる可能性があります。バブル相場は利益を出しているうちは魅力的かもしれませんが、一気に崩壊するリスクもあります。その崩壊によって「一発退場」となる投資家も少なくないので、バブル相場に参加する際には注意が必要です。
作成日
:2021.05.07
最終更新
:2024.11.18
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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