作成日
:2021.05.14
お化粧買いとは、機関投資家やファンドの運用会社などが、保有する資産の価格を上げるために買い注文を入れることをいいます。機関投資家やファンドの決算期末や月末などにおいて、外部の投資家や関係者に対し成績良好に見えるよう「見映えを良くする」ための買い注文という意味での「お化粧」であり、「ドレッシング買い」と呼ばれることもあります。
一般的に、年金基金や投資信託などの大規模な資金を運用するファンドで、監督機関や外部の投資家(顧客)の評価を受けるものは、可能であれば保有する資産の価格を高く保っておきたい動機があります。決算の時期には、年金基金やファンド等からさらに運用を受託している投資顧問会社や投資信託委託会社、ヘッジファンドなどは、高い運用成績を示して受託金額をより増やしていくため、預かり資産の時価評価額を上げておく必要があります。顧客によっては運用成績をシビアに問う機関もあり、激しい競争の中、運用会社の交代も珍しくないため、お化粧買いが行われることがあるといわれています。
お化粧買いの成否は、資金額と相場のムードに左右され、実際にはうまくいかないことも少なくありません。お化粧買いによって本当に株価が上昇するかどうかは相場次第となります。
とはいえ実際には、市場で目立つ取引が行われたとして、それが通常の投資判断に基づく買い注文なのか、株価上昇を意図的に狙った買い注文なのかを関係者以外の人間が見抜くことは基本的には不可能であり、推測の域を出ません。
現実には、明白な要因が特定されない月末・年末・年度末などの株価上昇があった際に、市場関係者やマスコミがレポートや記事を書くための憶測・解釈として使用することが多い用語です。「月末とあって、お化粧買いが入るとの期待が相場のセンチメントを持ち上げ、買いを誘発した」「年度末のドレッシング買いとみられるまとまった買い注文が断続的に入っている」といった形で使われます。
作成日
:2021.05.14
最終更新
:2024.11.19
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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