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カバー取引

読み方 かばーとりひき
同義語 カバーディール

カバー取引とは、FX会社が銀行などの金融機関に対して行う、リスクヘッジ目的の取引のことです。FX会社は原則として顧客との相対取引をしているため、顧客が利益を上げたときは、FX会社が同額の損失を出していることになり、その逆も成立します。

こうした相対取引だけをしていると、大半の顧客が利益を上げたときにFX会社の損失が大きくなり、経営基盤を揺るがす可能性もあります。そこでFX会社は他の金融機関に対して、顧客と同じ注文を出すことでリスクを抑える取引を行います。これが、カバー取引です。例えば、投資家がドル円1万通貨の買い注文をFX会社に出した場合、FX会社は同じ1万通貨の注文をカバー先金融機関に発注します。

カバー取引の仕組み

カバー取引をどの程度行うのか、どこに対して行うのかは、FX会社の方針によってさまざまです。顧客からの注文のうち、どの程度カバー取引によってリスクヘッジをするかは「カバー率」という数値で表示されており、高いところだと100%となっています。カバー率を100%と公開しているFX会社はつまり、顧客からの注文をすべてカバー先に流しているということになります。

一般的にFX会社は複数のカバー先を持っています。それぞれのカバー先から提示されるレートが異なるため、FX会社はその中から最も有利なレートを採用して顧客に提示します。このため、カバー先が多いFX会社ほど有利なレートでの取引が可能になります。

knowledge スキャルピングを禁止するFX会社がある理由

FX会社によってはスキャルピングを禁止していることがありますが、これはスキャルピングなどの超短期売買がシステムに負荷をかけ、正常なカバー取引ができなくなることへのリスクがあるからです。例えば、スキャルピングによって短時間に大量の注文が出され、その注文によって顧客が利益を上げる一方で、FX会社によるカバー取引が間に合わないなどの事象が起きると、それがFX会社の損失につながります。


Date

作成日

2020.12.09

Update

最終更新

2024.11.13

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

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斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

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山田 大護

1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。

【紹介ページ】
http://www.kplaw.jp/lawyers/yamada/

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