作成日
:2020.11.30
日銀短観とは、日本銀行(日銀)が金融政策を適切に行うための資料として、全国約1万社の企業に依頼して年4回(4・7・10・12月)公表する景気の現状と先行きの調査のことです。日銀短観は、正式名称を「全国企業短期経済観測調査」といい、海外でもTANKANと呼ばれています。
日銀短観の調査では、大手企業・中小企業、製造業・非製造業を問わず幅広く対象とし、業績や設備投資・雇用などの実施状況と、今後の見通しを聞くことで、景気動向を調査します。
経済を構成する要素のうち、私たちの普段の生活の総計である「消費」は、変動が少なく比較的安定しています。一方、企業の活動による「投資」は地域・分野・規模の大小などに応じて、情勢の変化が明確に表れ、景気の変動をとらえやすいのです。
例えば、景気が悪くなる場合には、まず企業が業績見通しの悪化に基づき投資を絞り、給与や雇用の変動を通じて消費に影響がおよびます。そのような事態になると、政府は財政支出を行って景気悪化を緩和しようとします。日銀は支出を行う機関ではありませんが、景気の変動を早期・正確に把握し、物価と金融システムの安定に努めています。日銀短観はそのための重要な資料となっています。
日銀短観は、市場参加者の注目度が高い経済指標として知られます。短観の内容が悪ければ金融政策の緩和が予想され、金利低下に備えてのポジション調整がなされる、といったように市場参加者の行動に影響します。
調査項目のうち、最も注目度が高い指数が業況判断D.I.(Diffusion Index)です。調査対象企業に収益等の現状と先行きについて、「良い」「さほど良くない」「悪い」の三つの選択肢から回答を選んでもらいます。回答結果の「良い」から「悪い」を差し引いた数値が業況判断D.I.となり、プラスであれば景気は良い、マイナスであれば景気は悪いということになります。
作成日
:2020.11.30
最終更新
:2024.11.15
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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