作成日
:2021.08.17
ストキャスティクスとは、対象期間の高値・安値と比較して現在レートがどの位置にあるかを示すオシレーター系指標です。ストキャスティクスが100に近づいているほど買われ過ぎ、逆に0に近づいているほど売られ過ぎと判断されます。また、基本のストキャスティクスの数値を移動平均化して値動きの反映を遅くした線を表示させ、線同士の交差から売買タイミングを測る方法でも使用されます。
ストキャスティクスの歴史は古く、米国のジョージ・レイン氏によって1950年代に考案されました。現在でも代表的なオシレーター系指標として使用されています。
ストキャスティクスは、%K、%Dという2本の線で構成されます。このうち、基本となる線は%Kで、日足では下記のように計算されます。
%K =
(当日終値 - 過去n日間の最安値)÷(過去n日間の最高値 - 過去n日間の最安値)× 100
%Dは、%Kを移動平均化して算出します。移動平均化とは、例えば3日分や4日分など期間の範囲を指定し、始点をずらしながらその範囲内の平均値を計算していくことです。%Dは、3期間分(日足では3日分)の移動平均で算出される場合が多いです。移動平均化されると、最新の価格変動がストキャスティクスの値に反映されるのが遅くなるため、%Kと%Dでは%Kが先行する関係になります。
ストキャスティクスでは、数値そのものを見て、100に近づいているほど買われ過ぎ、逆に0に近づいているほど売られ過ぎと判断する使い方と、2本の線の交差を観察する使い方があります。後者の場合、%Kと%Dのどちらも80以上にある位置で%Kが%Dを下抜けすれば売りサイン、逆に20以下で%Kが%Dを上抜けすれば買いサインと判断されます。
%Kと%Dの組み合わせは、価格の変化に敏感に反応しすぎるためダマシが多いといわれていて、現在では、%Kを移動平均化することで価格変動がストキャスティクスの値に反映されるのを遅くしたスロー%Kと、それをさらに移動平均化したスロー%Dの組み合わせが使われることが多いです。%Kと%Dを用いて判断する方法を「ファスト・ストキャスティクス」、スロー%Kとスロー%Dで判断する方法を「スロー・ストキャスティクス」と分類します。
移動平均化を行う方法により若干数値が異なる場合もありますが、%Dもスロー%Kも%Kを移動平均化したものであるため、ほぼ同じ数値になります。このため、チャートソフトによっては、スロー%Kを別途表示せず、%Dとしてまとめて表示されます。
チャートソフトによってストキャスティクスの本数が異なり、2本の場合と3本の場合があります。3本の場合は、%Dとスロー%Kがまとめて表示されます。しかし、実際の分析は%Kと%D、スロー%Kとスロー%Dの二つの組み合わせのどちらかで行うため、線の本数にかかわりなく、同じように使用できます。
作成日
:2021.08.17
最終更新
:2024.11.20
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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