作成日
:2021.07.07
シャープレシオとは、投資のリスクに対するリターンの大きさがどれだけあるのかを示す指標のことです。主に同種の投資信託の運用効率を比較する際や、エキスパートアドバイザ(EA)などの自動売買ツールの成績評価に使われます。「シャープ」という名称は、シャープレシオの考案者であるウィリアム・シャープ氏に由来しています。
シャープレシオは、以下の計算式で求められます。
シャープレシオ =
(平均リターン - 無リスク資産利子率)÷ リスク(標準偏差)
計算式は複雑ですが、リターンをリスクで割るのが大まかな考え方で、数値が大きいほど運用効率が高いことを示します。無リスク資産利子率に関しては、日本では無担保コールレート(短期金融市場における金利)が用いられることが多いです。また、ここでいうリスクはばらつき(価格変動の大きさ)のことで、標準偏差を用いて算出します。
例えば、平均リターンが5%の投資信託Aと10%の投資信託Bがあったときに、リスクがそれぞれ3%と10%、無リスク資産の利子率が0.2%だったとします。シャープ・レシオは投資信託Aが「(5-0.2)÷ 3 = 1.6」、投資信託Bが「(10-0.2)÷ 10 = 0.98」となり、Aの方が効率的に運用できているとみなすことができます。
投資信託では一般的にシャープレシオが「1」を超えていると優秀であるとされていますが、運用成績がマイナスの場合はリスクが大きいほどシャープレシオも大きくなるので注意が必要です。
シャープレシオは「リターン」と「リスク」の二つの側面から運用成績を測定できるので優れた指標といえますが、あくまでも過去の一定期間の結果に基づいて算出されたものに過ぎず、将来の数値を保証するものではありません。シャープレシオのみで投資判断を行うのではなく、他の材料と合わせて総合的に勘案するのが基本です。
作成日
:2021.07.07
最終更新
:2024.11.21
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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