作成日
:2021.04.29
変動相場制とは、為替レートを外国為替市場における取引で決める制度をいいます。対義語は「固定相場制」で、国家が為替レートを決定します。FX取引で扱われている通貨は基本的に変動相場制をとっている通貨となります。
歴史的には、第二次世界大戦後、金と交換できる米ドルを唯一の国際通貨とし、他国の通貨は米ドルとの交換比率が固定されていました。しかし米ドルの価値が下落していき、1971年の金ドル交換停止を経て、日本を含む主要国は相次いで変動相場制に切り替えていきました。各国の通貨は米ドル、ひいてはその価値を保証していた金の裏付けをなくし、市場の需給関係で為替レートが決められることとなったのです。
変動相場制は、各国の実体経済の強弱がリアルタイムに為替レートに反映されながらも、金融政策や為替介入による調整の余地もある柔軟な仕組みであるという点でメリットがあります。その一方で、投機マネーによるかく乱が生じた際などに、為替レートが急激に変動するというデメリットがあります。
FX会社には人民元(CNH:オフショア人民元)を取り扱うところもがありますが、中国は変動相場制でなく「管理変動相場制」を採用しています。中国の中央銀行にあたる人民銀行が当日の基準レートを公表し、基準レートから一定範囲内の変動に抑えることで通貨当局がコントロールを行うため、政府の意向に注意を払う必要があります。
変動相場制は、為替市場の需給で為替レートが決まる仕組みですが、国際金融秩序を守るための介入が大規模に行われ、人為的なレート調整が行われたことがあります。1985年、ニューヨークのプラザホテルで、高インフレとその沈静化を経て不安定になった米ドルの価値を調整するため、米・日・英・仏・独の通貨当局が協調して米ドル安を誘導するという発表を行いました。これが有名な「プラザ合意」です。その1年後には、米ドル円相場は235円から150円台まで円高が進みました。
作成日
:2021.04.29
最終更新
:2024.11.15
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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