作成日
:2021.05.06
株式公開とは、未公開企業が株式を証券取引所に上場することをいいます。近年ではIPO(Initial Public Offering)という呼称が一般的に使用されます。株式を公開することにより、特定の投資家が独占的に保有している株式を、不特定多数の投資家が購入できるようになります。これにより、資金調達が容易になり、大規模な調達も可能となります。
株式公開にあたっては、証券取引所が定める要件をクリアする必要があります。また、新規に公開した株式が売れ残らないよう、証券会社がアドバイザリーや適正株価の算定・募集などを行います。こうした業務を中心となって行う証券会社を、主幹事証券会社といいます。
株式公開では主幹事証券会社の他に、引受幹事証券会社も公開株を引き受けて募集を行いますが、主幹事が最も多い分量を引き受けます。そのため主幹事を多く引き受ける、力量のある証券会社を利用している個人投資家は、IPOの募集に当選する確率が高いといえます。
株式公開においては、公開する企業は資金調達が容易となる他、財務体質の強化・信用力や知名度アップ、より良い人材の確保といったメリットがあります。
これに対し、投資家にとっての株式公開の最大のメリットは「公募価格で購入した株式は値上がりしやすい」ということです。株式公開への応募数が上場に必要な株数を下回ってしまうと、上場することができなくなります。主幹事証券会社はこれを見越して、公募価格は割安とするようアドバイスします。そのため、新規公開株は取得してすぐ売却(上場後初値)すれば、低リスクで利益を得る可能性が高いという傾向があります。
株式公開を主幹事として取り仕切ったり、引受幹事を務めたりといった実績は、証券会社によって大きく異なります。三大証券と呼ばれる野村證券、大和証券、SMBC日興証券は主幹事・引受幹事ともに多く、ネット証券に差をつけています。ネット証券の中ではSBI証券の実績が目立っています。
作成日
:2021.05.06
最終更新
:2024.11.18
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。
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