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プロスペクト理論

読み方 ぷろすぺくとりろん

プロスペクト理論とは、人間が確率を伴う選択肢について意思決定を行う際の傾向を明らかにしたものです。行動経済学者のダニエル・カーネマン氏、エイモス・トベルスキー氏らが公表した論文のタイトルでもあります。人間が確率的に損得を考える際の癖を解明するモデルであり、FXにおいても当てはまるといわれています。

プロスペクト理論以前の経済学では、人間は確率を伴う選択肢がある際にもっとも満足度が高くなるような選択・行動を取るという「期待効用理論」が有力でした。しかし、ダニエル・カーネマン氏らにより期待効用理論が現実の人間にそぐわないことが解き明かされ、人々は期待効用理論のように合理的には行動しないことが発見されました。

プロスペクト理論による「価値関数」は、この画像のようにS字型の関数です。この関数は、利得と損失が同じ額であれば、利得の喜びよりも損失の悲しみの方が大きいことを表します。これを損失回避と呼びます。また、利得局面では損失回避的になる一方で、損失局面ではリスク愛好的になる特徴もあります。

プロスペクト理論の価値関数

これをFXに適用すると、利益が出ている場合は損失回避を目的に早く利益確定を行いやすいことや、損失を抱えている場合はそれを取り戻そうとより大きなリスクを取るようになりやすい、といった投資行動になる傾向があることが分かります。

プロスペクト理論の価値関数
point 利小損大になりがち

FXにプロスペクト理論を当てはめると、利益確定が早く、損切りの遅い利小損大のトレードになる傾向があります。これを避けるためには、人間の損得勘定の癖を知り、そうならないようにトレーニングする必要があります。


Date

作成日

2021.07.30

Update

最終更新

2022.04.20

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

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斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

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山田 大護

1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。

【紹介ページ】
http://www.kplaw.jp/lawyers/yamada/

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