Select Language

増資

読み方 ぞうし

増資とは、企業が資本金を増加させることをいいます。その方法は「有償増資」「無償増資」とに分かれます。

増資の種類

有償増資は、新株を発行して投資家に引き受けてもらう方法で、資金負担があるため「有償」といいます。有償増資には、既存株主に新株の割当てを受ける権利を与える「株主割当増資」や、利害関係者など特定の第三者から新株引き受けを募集する「第三者割当増資」、不特定多数に対して証券会社を通じて引き受けの募集を行う「公募増資」があります。

無償増資は、会計上では純資産に分類される利益剰余金や利益準備金・資本剰余金などを、資本金に組み入れる方法です。既に企業内にある資金を資本金に繰り入れるため、「無償」といいます。「株式分割」が一般的な方法です。

point 投資家にとっての有償・無償の違い

個人投資家にとっては、1株当たりの株主価値が変わり、株価に影響を与える有償増資の方が重要な意味を持ちます。無償増資は資金の最適利用という観点では重要ですが、企業会計内の資金の移動に過ぎません。資金の出入りや1株当たりの株主価値に変動がないため、重要度は比較的低いといえます。

報道等で大きく扱われる増資は、一般的に資金調達を目的とした新株発行を行う有償増資です。融資と並ぶ資金調達の有力な手段ですが、返済義務がない点が融資と大きく異なります。払い込まれた資金は自己資本となるため、財務の健全性の改善に資する点がメリットです。

その反面、既存株主にとっては保有している株式の価値が変動しかねないイベントであり注意が必要です。新株発行により1株当たりの利益(EPS)は減少となり、いわゆる「希薄化」が起こります。株主割当増資に応じれば、株主価値を維持することは可能ですが、第三者割当増資・公募増資では、既存株主がいくぶんか不利になることは否めません。資本コストの観点からも、増資が企業の成長に資するものかどうか、株主としての厳しいチェックが求められます。


Date

作成日

2021.04.06

Update

最終更新

2022.04.20

斎藤 陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

arrow
斎藤 陽介

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

監修者情報

山田 大護 | Daigo Yamada

弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)

arrow
山田 大護

1997年に東京大学法学部を卒業し、モルガン・スタンレー証券、ドイツ証券にて金融実務に従事。
2007年に司法試験に合格し、2008年に弁護士登録。
証券会社での金融実務の経験を活かし、「企業犯罪と司法取引」「金融機関の相続手続」等の金融法務関連の書籍を監修。金融実務のバックボーンを活かした企業法務弁護士として活躍する。

【紹介ページ】
http://www.kplaw.jp/lawyers/yamada/

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル