作成日
:2026.08.07
2026.09.07 01:21
2026年6月末、新しくβ版として公開されたMetaTrader5(MT5)のBuild5955にて、新機能となるAIアシスタントがMT5上に追加されました。加えて、MT5がMCP(Model Context Protocol)にも標準対応となったことで、OpenAI CodexやClaude CodeといったMCP対応の外部AI上でも、さらに簡単にMT5の情報を利用できるようになっています。
なお、2026年7月末には正式版の通常アップデートとなるBuild6061が公開され、β版で先行提供されていたAIアシスタントやMCPへの対応が正式に反映されました。
そこでMT5に内蔵されたAIがどれくらい実用的なのか、Myforex編集部でも実際に使って試してみました。AIアシスタントの使い方や実際に使ってみた感想などを紹介していますので、ご利用前の参考にしてください。
2023年頃にMetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)上で利用できるエディターソフト「MetaEditor」へAI Assistantとの連携機能が追加されるなど、以前よりAIによってMetaTraderユーザーの利便性を高める取り組みが実施されてきました。
一方で、当時のAI機能はコード作成の支援が主な機能となっており使い道が限られていたほか、外部AIとMT5をつなぐために専門的な知識が必要となるなど利用ハードルがやや高いものとなっていました。
そのような課題を払拭するような形で、2026年6月末に新しくβ版として公開されたBuild5955、そして正式にアップデートとして追加されたBuild6061ではMetaEditorだけでなくMT5のクライアントターミナルにも以下のようなAIアシスタントが導入されています。
AIアシスタントは以下のような画面になっており、ターミナル上でAIと対話しながらチャートや取引履歴の分析、取引操作、EA・インディケーター開発などを行うことが可能です。
また、AIアシスタントの導入に併せてMCPにも標準対応しています。これによってOpenAI CodexやClaude CodeといったMCP対応のAIをMT5に接続して、そのAI上からMT5内の情報をシームレスに取得・利用できるようになりました。
AIアシスタントやMCPの対応に加えて、2026年7月中旬にリリースされたBuild6030ではパスキー認証の対応も公表されています。
MT5では以前から、ワンタイムパスワードを使った2段階認証によってログイン時の安全性を高めることが可能でした。今回新たにパスキー認証へ対応したことで、登録したスマートフォンやFIDO2対応のセキュリティキーを使った本人確認も可能になる模様です。
なおログインIDとパスワードを入力後、初めて取引口座へ接続した際にパスキーの作成が可能とされていますが、接続先のブローカーや取引サーバーによって利用の可否は異なります。
今回のアップデートのメイン機能となるMetaTrader5(MT5)のAIアシスタントについて、MQL5の公式サイト上の情報によると、主に以下2つの目的で使えるとされています。
実際に、AIアシスタントに対してこの「このAI機能を使うと何ができるのか」質問をした結果、以下のような回答が返ってきました。
私は MetaTrader5に特化したAIアシスタントです。大きく分けて7つのことができます。
1つ目は情報収集です。価格やスプレッド、ローソク足のチャート、ニュース、口座情報などをすぐに調べられます。
2つ目は状態確認です。今持っているポジションや過去の取引履歴、サーバー時間、エラーログなどを確認できます。
3つ目はMT5端末の操作です。Market Watchにシンボルを追加したり削除したり、チャートを開いたり閉じたり、テンプレートを適用することもできます。
4つ目はトレードです。ただし、あなたが「やって」と指示したときだけ実行します。成行注文や指値注文はもちろん、ポジションの決済、ストップロスや利益確定の変更にも対応しています。
5つ目はWebリクエストです。MetaTrader5から外部のAPIにデータを送信したり、情報を取得したりできます。外部サービスとの連携や通知送信などに使えます。
6つ目はコード開発です。EAやインジケーターの作成・編集・検索、コンパイル、バックテストまで一通りサポートします。
7つ目は自動化です。定期的な作業を自動で行うように設定することもできます。
引用元情報 - MetaTrader5より引用
回答を見るに、MT5の操作から、相場状況や取引履歴の分析、さらにはEAの開発まで幅広い作業をこのAIアシスタントに依頼できる模様です。
MetaTrader5(MT5)のAIアシスタントを使うためには、MT5をバージョンアップ(2026年7月28日時点ではBuild6061)した上で、MQL5.communityアカウントへログインをする必要があります。
MT5のバージョン確認やMQL5との連携については、以下の記事をご参照ください。
AIアシスタントでは、取引関連の操作も行うことができるので、意図しない処理によってポジションにも影響がある可能性があります。
正式なアップデートとして追加されている機能ではあるものの、トラブルを避けるためにも、動作確認としてまずはMetaQuotes(メタクォーツ)などのデモ口座で試すことをおすすめします。
まずはAIアシスタントの設定を行っていきましょう。
画面上部「ツール」の中にある「オプション」メニューをクリックします。そして「AI Assistant」のタブを選択すると以下のような画面が表示されます。
AIモデルの設定を含めて計8つの設定項目がありますが、MT5をMQL5と接続するとAPIキーなどを含めた全ての項目が自動で設定されます。
MQL5.communityと連携することで「MQL5 Lite」というAIモデルを搭載したAIアシスタントを無料で使うことができます。
番号 |
項目 |
説明 |
|---|---|---|
1 |
プロバイダ |
OpenAIやAnthoropicなどさまざまなAIサービスの提供元を選択できます。MQL5のAIモデルの利用時は変更の必要はありません。 |
2 |
エンドポイント |
AIサービスへの接続先アドレスです。MQL5のAIモデルの利用時は自動で設定されるため、変更の必要はありません。 |
3 |
APIキー |
AIサービスを利用するための認証キーです。MQL5のAIモデルの利用時は自動で設定されるため、変更する必要はありません。 |
4 |
モデル |
AIモデルを選びます。MQL5.communityを選んだ場合は、MQL5 Liteのみ選択できます。 |
5 |
取引 |
AIにどこまで取引操作を許可するかを設定します。 |
6 |
Web |
AIによるインターネットへのアクセス範囲を設定します。 |
7 |
アシスタントが~ |
MetaEditor(プログラム開発画面)を起動した際、最初からAIアシスタントが有効な状態で立ち上がるようにする設定です。 |
8 |
危険なシェル操作~ |
OS上のコマンド操作をAIに許可する設定です。 |
デフォルト設定で「OK」をクリックすることでAIアシスタントを使うことができますが、安全に使うために以下の設定項目については再度確認しておくことがおすすめです。
「取引」項目では、AIに注文や決済などの取引操作をどこまで許可するかを設定できます。初めて利用する場合は、取引前に確認画面が表示される「Manual confirmation」にするか、取引操作を禁止する「Disable」に設定しておくと、勝手に取引が実行されるなどのトラブルは起こりづらいでしょう。
また「シェル操作」に関するチェックマークについても、特別な目的がない限りはオフのままにしておくのが無難です。
上記設定が完了したら、AIアシスタントを実際に使ってみましょう。AIアシスタントは、MT5上部に表示される星形のAIアイコンをクリックすると起動します。
後は、ChatGPTやGeminiなどと同じように、行いたい操作や依頼などを入力することでAIアシスタントが回答をしてくれるようになります。
MCPを経由した外部AIとMT5との接続に必要となる情報は「MCP」タブに記載があります。「内部サーバーを有効化」にチェックマークを付けた上で、画面上に表示された「アドレス」や「APIキー」などの設定情報をコピー。各ツールの所定のファイルに保存することで、外部AIからもMT5上の情報を利用できるようになります。
APIキーを取得して、MT5内蔵のAIアシスタント上で外部AIのモデルを利用することもできますが、一般的にはAPI利用時に従量課金が発生します。すでに使い慣れたAIをそのまま頭脳として活用したいのであれば、MCPを使った接続も試してみるとよいでしょう。
MetaTrader5(MT5)のAIアシスタントがどれくらい活用できそうなのか、以下の3つの作業を依頼してみました。
EAをチャートに適用した際に稼働しないケースを想定し、その原因と解決策を質問してみました。回答は以下の通りです。
他にも「口座が回線不通となっている原因」などを質問してみたところ、現状のMT5の通信状況や接続先の口座などを確認した上で回答してくることが分かりました。MT5上のトラブルの解決策として検索エンジンなどを使って調べる方法はあるものの、自身のMT5の状況をもとに解決策を示唆してくれるという点ではもう一つの解決手段として使えるかもしれません。
取引履歴から勝ちパターンと負けパターンを分析してみました。
その結果、まず裁量取引とEA取引それぞれの結果についてポジション数量から保有時間、結果に至るまで出力、買い/売りどちらの方が勝てるのか、また保有時間や取引時間と勝率に相関関係があるのかなどを自動で分析してくれました。
そして最後に、以下画面のような総合的な分析結果とともに次にどのようなアクションをとれば取引が改善されそうかまで回答をしてくれました。
MT5内蔵のAIであることもあり、分析元となるデータは取引履歴と一致していました。今後のアクションの内容としては実用的ではないものも含まれていたものの、MT5上のデータを定量的に分析をするという使い方であればMT4/MT5に標準搭載されている取引履歴レポートでは確認できないような項目も簡単に確認ができそうです。
20期間と50期間、2本の移動平均線(SMA)のクロスを売買サインとするシンプルなEAを作成してみました。依頼後、ものの数分でコード作成からコンパイルもされて作成が完了しました。
実際に作成されたEAの設定画面は以下の通りです。画面からプロンプトで指定したナンピンやマーチンゲールなど細かいインプット項目を確認できなかったものの、MAクロスEAという大枠の機能自体は搭載されている模様です。
続けてAIアシスタントを介してバックテストも一連の流れとして実行してみました。テスト期間やEAの変更などある程度手動で行わなければならない設定項目はあるものの、バックテストも依頼できました。
その結果は以下の通りです。残高としては右肩下がりとなり実践で使えそうなEAとは到底言えないものの、MT5内蔵のAIでもある程度動作するEAは作れる模様です。またバックテストをした結果を内蔵AIで分析してもらうといった使い方も可能です。
MetaTrader5(MT5)のAIアシスタントを使ってみて、以下のような感想を持ちました。
MT5上から直接起動できるAIアシスタントという点で、手軽に使えます。
特にMT5上のデータを使って簡単に何かをしたいといった用途では使えるかもしれません。これまでは、取引履歴をファイルとして出力したり、必要な数値をコピーしたりした上で、スプレッドシートにまとめる、または別の生成AIに読み込ませるなどの操作が必要でした。MT5内蔵のAIを使えば、こうした手間をかけずに、かつ無料でMT5内のデータをもとに作業を行うことができます。
こういった一手間を省けるという点では、場面によっては便利になるだろうと感じました。
MT5内蔵のAIアシスタントを本格的に活用できる場面は現時点で限られている印象を持ちました。
MT5上の操作をAIに依頼できるものの手動でも十分に対応できますし、また取引履歴の集計やEAのコード作成も可能ですが、生成された内容にはそのまま実際の取引へ活用しにくいものも含まれていました。
一方で、今回のアップデートではMT5がMCPに標準対応し、Claude CodeやOpenAI Codexなどの外部AIと接続しやすくなった点も大きな変更だと感じています。MT5上の情報を外部AIでも簡単に活用できるようになったことで、データ分析やEA開発にAIを取り入れるハードルは大きく下がったといえるでしょう。
今回新たに追加されたMetaTrader5(MT5)のAIアシスタントは、MQL5.communityアカウントと連携するだけで無料で使うことができます。特にMT5上の情報を使って普段分析や集計などを行っていたり、MT4/MT5で機能するEAやインディケータのコーディングを行ったりしている方は、作業の手間を減らせる可能性があるため、一度試してみるのもよいでしょう。
そのうえで、内蔵AIでは物足りないと感じる場面があれば、Claude CodeやOpenAI Codexなど、MCPに対応した外部AIとの連携を試してみるのも一つの選択肢です。内蔵AIを利用する場合と比べると多少の設定は必要ですが、従来の連携方法と比べればハードルは大きく下がっています。
なおMQL5公式では、日々パフォーマンスや機能のアップデートが報告されています。今後、対応機能の拡充や分析精度がどこまで向上するのか、期待したいところです。
![]()
作成日
:2026.08.07
![]()
最終更新
:2026.09.07
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]

コインチェックからMEXCに送金してみた!送金手数料や反映時間も解説
2026.09.09 19:00

MEXCに日本撤退の噂?海外FXユーザーは撤退を想定した準備が必要か
2026.08.27 19:00

XS.comへ仮想通貨入金をしてみた!低コストで安全な送金可能なルートを検証
2026.08.26 19:30

【要注意】IZAKA-YAで多額の出金拒否か|年利100%キャンペーン直後の出金停止と突然のKYC必須化
2026.08.26 19:00

RedotPayは海外FXの出金に使える?サポートに日本での利用条件を確認してみた
2026.08.20 19:00

BigBossのOMEGA(オメガ)口座のスプレッドをガチ検証!業界最狭クラスの銘柄は?
2026.08.13 19:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
当社コンテンツの著作権は当社に帰属します。当社が提供する共有機能や、SNSシェアや引用など、適切な範囲でのご利用は歓迎しております。ただし、商用利用や内容改変を伴う転載、当社と競合するサイトへの転載等、不正な再使用はご遠慮ください。なお、当社が不適切または不正な利用と判断した場合、当該コンテンツの削除その他必要な措置を講じる場合があります。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー